口に入れるものは慎重に
「健康21ヶ条」の項目は、自分の努力で改善できるものと、社会的な問題なので個人では対処しようのないものに分けられます。
その大元にあるのは、化学物質による中毒の問題です。
中毒の原因となるのは、大気汚染、残留農薬、工場排水、医薬品、工業製 品、食品添加物、自然毒などさまざまですが、急性の中毒患者は年間100万人以上発生しているといわれています。
また、現代の疾患の多くは毒によって引き起こされていると考えられます。
今から30年ほど前に、公害問題を扱った有吉佐和子の『複合汚染』という本が話題になりました。
現在は、ダイオキシンやホルムアルデヒド、遺伝子組換え食品、電磁波、フロンなど、新たに危険は増す一方です。
こんなにも危険な物質が生活の中にあふれているにも関わらず、健康食品と呼ばれる不健康食品まで体内に摂取するのは、危険がさらに増す行為であると私は考えます。
商品を売る側の宣伝文句を鵜呑みにしているようでは、自分や家族の健康は守れません。
現代を生き抜く我々には、知識武装・自衛の必要があります。
そこで、まず知っておいていただきたいのは、国が認可したものだから安全だとは言えないという事実です。
ある特定の物質が有害であると科学的に実証されるのは、常に相当量が一般に出回って、多数の被害が報告されてからです。
そのため、新しいものに真っ先に飛びつく習慣があると、自分が被害者になってしまう可能性はとてつもなく大きいのです。
古くは秦の始皇帝の時代に重金属を薬として服用していた例に始まり、奈良時代の鉛おしろいの使用など、新しいものをありがたがっていると、後世の人間からすれば恐ろしいことをしています。
現代でも、公害病の代名詞となっている水俣病は、工場廃液に含まれた有機水銀と病気との関連が科学的に実証されるまでの期間に、多くの被害者を生んでしまいました。
人類はこういうことを懲りずに何千年も繰り返してきているのです。
ご存知のように、食品添加物も今まで散々食べてきたものが、発ガン性があることがわかりました、といってある日突然使用禁止になったりします。
国できちんと認可した医薬品ですら、実際に患者に投与してみたら、副作用による死者が多発したので、認可が取り消しになったという例は後を絶ちません。
つまり、食品添加物にしても医薬品にしても、私達が心得ておくべきポイントは、被害者が多数出てからでないと使用禁止にはならないという点です。
よほど国のシステムが変わらない限り、今後も同じことは起こり続けます。
ですから、口から入れるものにはもっともっと慎重になっていただきたいのです。
十分ご理解いただいている方にはくどいようですが、爆発的に流行っているニガリについても同様です。
最近になって被害報告が多数出るようになったので、やっと国でも警告を出すようになりました。
ニガリは自然のものだからいいでしょう?と言われます。
しかし、自然にも毒はたくさん存在します。
単なる調味料であっても、大量に摂取すれば人は死にます。
しかも、ニガリなどは昔から体に悪いとされてきたものです。
昔から体に良いとされていたものですら、本当は毒性があったという例はたくさんあります。
ましてや、昔から体に悪いと言われていたものが、急に体に良いものに変化するはずはないのです。
今の日本は飽食で、痩せたい方が多いせいでしょうか、痩せる=健康に良いと錯覚する方が多いようです。
しかし、本来、痩せることは健康に良いことではありません。
1+1が2であるように、食べ物を口に入れたら太るのが当たり前です。
何かを食べることで痩せるのだとしたら、それは体にとっては毒だと思うべきです。
また、現代は野菜自体に含まれる栄養素が激減しているから、微量栄養素をサプリメントなどで補う必要がある、などと言いますが、ミネラルなどの微量栄養素は、ヘタな摂り方をすると非常に危険です。
人体で有効に機能するためには、微妙で絶妙とも言えるバランスがあるのです。
足りないよりはたくさん摂ったほうが体に良いはずだ、というほど、人体のメカニズムは単純なものではありません。
健康の心配をするなら、日本に住んでいる人には3世代前までの日本人が日常的に食べていたものをお勧めしています。
そういう伝統食なら、すでに世代を超えての人体実験済みで安全保証付き食品だといえますので、ほぼ危険がないはずです。