【ハナヤマ通信】363 「転移環境説」解けてきたがんの転移の謎

このところずっと、がんの転移の謎について考え続けていた。

 

そして、この年末になって、やっと大まかな道筋が見えてきたのである。

 

そこで今回は、この発見についてお伝えしようと思う。

 

 

 がんという病気の最大の問題は転移である。

 

がんが転移するかしないかは、患者の生存率に大きく影響する。

 

通常、末期といわれる転移のあるがんの場合、指標とされる5年生存率が、極端に低くなるのだ。

 

しかし、がんの5年生存率は、転移の有無に関係なく算出されている。

 

これを、転移のあるがんとないがんとに分けて計算すれば、両者の生存率には大きな開きが出るはずだ。

 

転移前のがんなら、早期発見だから治る可能性が高いのだろう、などという単純な話ではない。

 

転移のないがんの場合、がんではないのに、がんだと診断されている可能性が高い。

 

つまり、誤診率が高くなっていると考えられるのだ。

 

 

 一般の人なら、そんなばかな話があるのか、と疑うかも知れない。

 

しかし、がんの研究が進歩したと考えられている現代でも、確実ながんの判定方法は存在しない。

 

がんかがんでないかは、いまだに病理医が顕微鏡をのぞき込んで、がん細胞の形を見て判断しているのだ。

 

形が少々違っているからがんだろうというのでは、こいつは人相が悪いから悪人だろうというのと変わらないのではないか。

 

それならそれで、今時はコンピュータの画像解析で、瞬時に自動識別できそうなものだが、なぜかそれができない。

 

人が目で見て判断しているようでは、個人の能力や意図、疲れなどが、結果に大きく影響するはずだ。

 

さらに、できるだけがんだと判定しておくほうが、本物のがんを見逃すよりも、後々問題になることが少ないとなると、必然的に、がんの誤診は増えることが予想される。

 

もちろん、がんの確実な判定方法が存在しない以上、誤診率の算定そのものも不可能だ。

 

仮に5年生存率から誤診率を差し引くとすると、愕然とするような数字になることは必至だろう。

 

 

 もし、確実にがんの判定をしようと思えば、そのがんが転移したかどうかを確認するしかない。

 

皮肉な話だが、がんが転移して初めて、原発巣も100%がんだったと判定できるのだ。

 

しかし、転移するのを待っていては、手遅れになって、患者はほぼ助からないものとされている。

 

そのため、一旦、がんと診断された患者には、予め転移を想定した、積極的な治療が行われる。

 

しかも、この積極的な治療のせいで、がんでもないのに死んでいく患者もいるというから、切ない話ではないか。

 

 

 さて、転移の話に戻ろう。

 

がんの転移の有無を重視している医師に、「がんもどき理論」で有名な、元慶應義塾大学医学部講師の近藤誠氏がいる。

 

彼の理論によると、がんにはもともと転移する能力のあるがんと、転移する能力のないがん(がんもどき)の2種類あるという。

 

転移能力のある本物のがんならば、治療しても助からないし、がんもどきなら死ぬことはないので、治療しても意味がないのだから、いずれにしても、がんとは闘うべきではない、というのである。

 

詳しくは近藤誠氏の著書をご参照いただきたいが、彼のこの説は、日本の従来のがん治療を真っ向から否定する内容だったので、医学界からは総攻撃を受けてきた。

 

しかし、私の実感としては、ある意味、彼の話は正しいと思っている。

 

ただ問題なのは、本物のがんとがんもどきを、どうやって識別するか、その判断基準がないことである。

 

このことが、彼の理論のウィークポイントであり、攻撃の対象ともなっているのだ。

 

 

 彼の説では、がん細胞の転移能力の有無によって、がんを2種類に分けている。

 

それに対して日本の医学界では、がんは2種類ではなく、個々の悪性度によって千差万別だと捉えている。

 

両者とも、転移はがん細胞のそれぞれの能力に起因する、と考えている点では一致している。

 

しかし、私は、全てのがん細胞に、等しく転移能力があると考えている。

 

私には、ある時点から急に、がんの悪性度が高くなって転移し始めるなどという話は、どうも腑に落ちないのだ。

 

変化したのは、がん細胞そのものの能力ではなく、環境ではないのか。

 

つまり、転移は、がん細胞が置かれた環境の変化の結果だと考えるのが、妥当ではないだろうか。

 

これはいわば、従来の転移能力説に対して、転移環境説である。

 

 

 では、どの段階からがんの転移が始まるのか。

 

従来の医学では、予想できないとされている。

 

多分、個々のがん細胞の、転移能力次第だというのだろう。

 

だが、私は、がん細胞が分裂した当初から、すでに転移が始まっていると思う。

 

すると、ほとんどのがんは、血管やリンパ管を介して、たちまち全身にくまなく転移することになる。

 

しかし、現実には、転移するのは一部のがんであり、しかもある程度、転移先の臓器も決まっているのだ。

 

また、転移のタイミングは様々で、あっという間であったり、数年先であったりする。

 

これらの矛盾を、どのように解釈したらよいのか。

 

 

 そこで私は、がんの転移には、骨のズレによる血流の阻害が、大きな役割を果たしているのではないかと考えた。

 

まず、転移先の決定について考えてみよう。

 

以前の当誌でもお伝えしてきたように、がんは必ず、骨のズレによって圧迫された、神経の支配領域に発現している。

 

同様に、骨のズレは、神経を圧迫するだけでなく、血流をも阻害するのである。

 

その血流が阻害されたところに、がんが転移しているのではないか。

 

つまり、発がんだけでなく、転移の場所についても、骨のズレがその位置を決定している、と考えることができるのだ。

 

 

 次に、転移のタイミングについて考えてみる。

 

本来、血流に問題がなければ、がん細胞は血流に乗って、全身をぐるぐると巡っている。

 

しかし、いつまでも血流に留まることはできない。

 

いつしか、マクロファージのような免疫細胞に捕食されてしまうのである。

 

だが、骨がズレると、そのズレによって血流の悪くなったところには、がん細胞が定着しやすくなる。

 

そこで初めて、がんの転移が完了し、増殖を始めるのではないか。

 

要するに、体内環境にズレという条件が加わることで、転移のタイミングに時間差が生じるのだと思う。

 

このように考えていくと、ズレの有無が転移の有無の指標となり、いつどこに転移するかも、だいたいの予測が立つのである。

 

 

 そもそも、がんはいつ転移・再発するかがわからないところに恐ろしさがある。

 

また、がんによって悪性度に大きな違いがあることが、より一層不安をかきたてる。

 

しかし、実際には、がん細胞にはそれほどの転移能力も、悪性度の違いもなさそうだ。

 

われわれの体内では、日々、おびただしい数のがん細胞が転移を試みているが、成功するのはごくわずかだろう。

 

骨のズレによる血流の阻害という環境があって初めて、がんは転移し得るのだ。

 

逆にいえば、常にズレのない状態にして、体内の血流環境さえ整えてやればよいといえる。

 

もちろん、これは単なる想像ではない。

 

これまで私が、施術を通して体験的に確信を深めてきた事実に、理論としての裏付けができたにすぎないのだ。

 

だが、転移の謎が解けたことで、私のなかでも、がんの輪郭が以前よりも明確になった。

 

この転移環境説は、従来のがんのイメージを払拭する大きな発見だといえるので、今後もさらに検証を重ねていくつもりである。

 

                             (花山 水清)

 

 

 

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