腰痛は、腰の骨(腰椎)や骨盤(仙骨・腸骨)が、正しい位置からズレることで起こります。
また、腰痛は、がんの骨転移でも起きますし、女性の場合なら、生理に伴う痛みや重たい感じ、子宮筋腫などによっても、腰痛が発生します。
私のいう骨のズレは、脱臼とも亜脱臼とも違います。
骨は関節によって可動していますが、本来あるべき位置とは、微妙に違うところにある状態を、私はズレと呼んでます。
はい、あまりに長いあいだ腰痛だったので、痛みがなくなって、逆に変な感じがするという人はたまにいますが、骨のズレと痛みのしくみは同じですから、年数は関係ありません。
痛は、骨のズレによって起こりますが、ズレるのは、腰の骨だけではありません。首も胸も肩も、骨がズレることによって、それぞれが、全身に痛みを出すのです。
骨のズレが関与する症状は、驚くほど多種多様に存在しています。
いえ。膝の痛みは、腰椎や腸骨のズレが原因です。
膝の軟骨がすりへっているとか、膝のお皿に水が溜まっているような、重症の変形性漆関節症の人でも、スポーツ中にひねった人以外はズレが原因の確立が高いです。
これは、神経の構造上の問題です。首の骨(頚椎)がズレると、腕や指先に、痛みやシビレが出ることは、一般的にも知られています。
同じように、腰椎や骨盤だズレると、近いところでは腰痛や股関節痛になり、神経の先のほうでは、膝や足先にまで痛みやシビレがでるのです。
ヘルニアだと診断された人でも、骨のズレを戻せば、痛みが消えてしまう人があまりににも多いので、私は、ヘルニアと腰痛の間の因果関係には、疑いをもっています。
実際、ヘルニアの切除手術をしても、痛みが消えないことや、同じ場所に再発することはめずらしくありません。このことは、医師の間でもよく知られています。
ぎっくり腰も、ほかの腰痛としくみは同じです。少しでも動けるようなら、できるだけ日常の生活を続けてください。
急性腰痛患者さんを「安政」「スポーツ」「日常生活」お3グループに分けて様子を見たら、「日常生活」のグループがいちばん回復が早かったというデーターもあります。
腰痛があってもなくても、寝ている時には、自然に楽な体勢になってるはずですから、気にする必要はありません。
枕などの寝具によって、腰痛が改善したというデーターはありません。
効果があるように宣伝している商品はたくさんありますが、科学的に実証されているわけではありません。
よく耳いする話ですが、科学的な根拠はまったくありません。
健康食品・サプリメント・漢方薬も含めて、腰痛や膝痛の予防・治療になると宣伝しているもので、科学的に効果が実証されたものは、ひとつもありません。
医師が処方した薬と、普段の食事以外のものは、口にしないほうが無難です。
整形外科で渡されるものも含めて、コルセットが腰痛の予防・治療に効果があったという、科学的なデーターは存在しません。
コルセットでは腰痛は治りませんので、骨折などの特殊な状況以外では、必要ありません。
逆に、かたいコルセットのふちに当たって、骨がズレる例もあります。
実は腰痛体操やストレッチに、ヨガなども含めて、腰痛に対して、治療・予防の効果が科学的に実証されたものは、ひとつもありません。
逆に、症状があるときに、体操やストレッチをしたせいで、腰痛がひどくなる例のほうが、圧倒的に多く見られます。
前かがみになったり、腰をひねったりすると、骨がズレやすいので、ズレを戻して2.3週間は、腰をそらした姿勢をキープして動くようにしてください。
これもよく聞く説ですが、筋力低下が腰痛の原因なるというデーターはありません。
筋肉を鍛え上げたオリンピック選手にも、腰痛患者はいます。日ごろ全く運動していない人が、急に筋力トレーニングなどをして、逆に症状が悪化する例のほうが多く見られます。
いいえ。昔からいわれている説ですが、筋力は関係ありません。
姿勢が悪いから腰痛になる、姿勢が悪いのは、背筋が弱いからだ、と考えられてるようです。
確かに、極端に背筋が弱いせいで、前かがみになることはあるかもしれません。
しかし、実際にには、骨がズレていると、体をそらしにくいので、前かがみになってしまうのです。ですから、ズレを戻してやれば、体をそらすことができるようになります。
デスクワークなどで、前かがみの姿勢で座りっぱなしだと、骨がズレやすくなるので、意識して体をそらしてください。
いいえ、腰痛の原因は老化ではありません。最近では、小学生の腰痛患者もふえているぐらいです。
腰痛が老化のせいではないことは、年齢別患者数の統計データーから見ても明らかです。
いいえ。日本の整形外科では、腰痛の80-90%はストレスが原因だとする説が有力ですが、ストレスが原因で腰痛になるという、「ストレス原因説」はあまり説得力をもつものではありません。
病院では、レントゲンなどの検査で、ヘルニアや狭窄症などの形態的な原因が見つからないと、原因不明=ストレスのせいだと判断してしまうようです。
もちろん、ストレスを感じていたり、怒ったりしているときよりも、リラックスして楽しい気分のときのほうが、痛みを感じにくいということはありますが、ストレスや怒りが原因で、腰痛になることはありません。
たしかに、一部の欧米人に見られるような極端な太り方は、日本人としては体に負担がかかるでしょうが、肥満と腰痛はあまり関係ありせん。
しかし、太っているから歩くのが面倒で、じっとしていることが多いようなら問題です。
妊婦さんにも腰痛はつきものですが、しくみは同じです。車やエスカレーター、エレベーターを使わないで、できるだけ歩くようにしてください。
必ず冷やしたほうがいいというわけではありません。打撲などによる痛みであれば、最初は冷やしますが、ズレによる腰痛は、温めたほうが楽なはずです。
温めると収縮した筋肉がゆるむので、ズレが改善されて、症状もやわらぎます。
大丈夫です。腰痛症だけでなく、分離症や分離すべり症であっても、スポーツしてもかまいません。
激しいスポーツは危険だと思われていますが、逆に、腰痛の危険を回避するというデーターもあるようです。
もちろん、腰痛が治りかけのときに、腰痛体操をしたり、腰をひねるような運動をしてはいけませんが、一旦治ってしまえば、あとは気にする必要はありません。
椎間、つまり腰の骨と骨との間が狭くなっていて、椎間板を圧迫しているから腰痛になる、ということはよく聞く話ですが、それだけでは腰痛になることはありません。
今までにもそう診断された人でも、痛みの原因は、ほとんどの場合、ズレにありました。
一般的に、ストレートバックなどと呼ばれることもあるようですが、この状態に対して、とくに病名が存在するわけではありません。
背骨のそり(後湾)がなくなって、横から見ると、まっすぐになっているのも、実際には骨がズレているせいなのです。
骨がズレていると、背中をそらすことができないので、ずれを戻してやryとそりも出てきます。
いいえ。腰椎や骨盤の矯正には、なでる程度の力しか使いませんし、ズレてる骨を本来の位置に戻すだけですから、ほとんど痛みはありません。
もちろん、どんな治療法であっても、あとに痛みが残るようなつ強い力を使うのは、絶対にいけません
腰痛の場合、外から強い力が加わったせいで、骨がズレているわけではありません。
骨を支えてる筋肉(多裂筋)にひっぱられて、ほんの少しズレているのを元の位置に戻すだけなので、軽い力で十分なのです。
逆に、強い力を使うと、抵抗があってズレはもどりませんし、患者さんにとっても危険です。
実際に使う力は、1kg未満のですから、なでられたぐらいにしか感じない人も多いようですが、力が弱ければ弱いほど、ダメージも少ないです。
あれは、カイロプラテックで「アジャスト」と呼ばれてる手技です。
整体などでも、同じようなことをやる人がいますが、非常に危険なことが知られていますので、「アジャスト」による事故に対しては、損害保険もおりないようになっています。
アメリカの研究では、頚椎(首の骨)の「アジャスト」によって、動脈壁が傷つき、重大な疾患を招く危険性が指摘され、脳梗塞のリスクが6倍以上になるというデーターもあります。
こらは状況次第です。ズレを戻せば、その場で痛みは取れますが、筋肉の引きつりがおさまるまでは、またすぐにズレてきてしまいます。
そこで、日を改めて、何回かずれを戻してるうちに、だんだんズレなくなってきます。
いいえ。ヘルニアによる腰痛も、坐骨神経痛も、痛みが出るしくみは同じですから、ズレを戻せば、痛みは消えます。
腰だけでなく、関節を持つ骨なら全部、ズレる可能性がありますので、そのズレさえ戻せば、全身のさまざまな症状(骨の「ズレ」により発生する不快症状)も改善できるのです
基本的のはいつやっても大丈夫ですが、飲酒後や、ダイビングの直後は避けてください。
腰椎の矯正では、ズレを戻した途端、体がカーッと熱くなったり、汗がふき出す人がたまにいますが、ほとんど問題ありません。
これは、今までズレていた骨に圧迫されていた血管が、ズレを戻したことによって急に解放されて、一時的に血管拡張のような状態になるためです。そのため、何かの薬を服用していれば、効果が強く出る可能性があります。
花山水清 『腰痛の法則』より
※気になる症状がある場合は、必ず医師の診断を受けて下さい。