【ハナヤマ通信】353 発見の意味

 最近、知ったことだが、当メールマガジンはずっと1000人以上の方に読んでいただいているらしい。

 

私はてっきり、もう数百人ぐらいになっていると思っていた。

 

まことにありがたいことだが、この13年のうちに、かなり新しい読者と入れ替わっている気もするので、今回は改めて、概論的な話をしておきたい。

 

 

 そもそも私は美大を卒業し、美術を専門として生きてきた人間である。

 

少し恥ずかしい言い方をするなら、アーティストなのである。

 

アーティストとは、いわば美の発見者だ。

 

だが、わざわざ発見しなくても、美はどこにでも存在する。

 

だから、アーティストになど誰でもなれる。

 

しかし、アーティストになれたからといって、誰もがアートを生み出せるわけではない。

 

アートとは、発見した美を新たな概念に置き換え、その価値を普遍的な存在にまで、高めたものでなければいけないのだ。

 

この意識された行動が、創造するということであり、アートの最もエキサイティングなところでもある。

 

 

 また、サイエンスの世界も、アートと同様、美の発見とときめきの世界だといえる。

 

例えば天文学は、その昔、星の動きに規則性があることが発見されたことから始まる。

 

そして、自然哲学者のタレス(B.C.625-547頃)以降、天動説と地動説の2000年に及ぶ論争があった。

 

それらの論争は、ケプラーの法則という、最も美しい解答を得ることで収束し、現代の輝かしい宇宙論ができ上がったのだ。

 

今語られる宇宙論には、ビッグ・バン、異次元空間、暗黒物質の存在など、私が子どもの頃に聞いた話とは、全く違う世界が広がっている。

 

素人の私が聞いてもときめくのだから、専門の研究者たちは、どれほど心踊る日々を送っていることだろう。

 

 

 天文学者に限らず、科学者というのは、自然のなかから美の根源となる現象を発見し、その現象を法則のレベルにまで昇華させることが求められる。

 

古くはピタゴラスの三平方の定理や、アインシュタインの特殊相対性理論における公式「 E=mc2 」のように、彼らは、簡素で最も美しい公式を見つけ出すことに、その情熱を傾けてきた。

 

ここでもし、「 E=mc2 」に「 +0.398 」などという端数がついていたら、科学者たちは必死になって、この余計な数字を消し去ろうとするだろう。

 

それが、科学者の美意識というものであり、彼らには、究極の美のなかにこそ、真実が隠されているという共通認識があるのだ。

 

まさしく、彼らはアーティストなのである。

 

 

 私も、今から20年程前に、アーティストとしてある発見をした。

 

多くの人の体に接する仕事を通して、人体の形に、特殊な非対称性があることを見つけてしまったのだ。

 

 

 本来、人体というのは、内臓を除けば、左右対称な形をしているものである。

 

生物はその進化の過程で、自ら動きまわって捕食活動を効率よく行うため、左右対称な形態を獲得した。

 

その最も進化した形が、脊椎動物だろう。

 

その左右対称であるべき形が、非対称になるとき、それは何を意味するのか。

 

私は考え続けた。

 

 

 さらに、この現象の最大の驚きは、そこに規則性まで存在する点だった。

 

いくつかある規則性の特徴の一つに、ウエストラインの左側のくびれがなくなるという現象がある。

 

これはみな一様に、左一側性の現象であって、例外はない。

 

他に発見した特徴の多くも、左だけに見られるという規則性をもっている。

 

これらは、肉眼で確認できる、ごく身近な現象であるにもかかわらず、今まで誰も気づいた人はいなかったようだ。

 

そのため、これらの現象には呼び名もなかった。

 

そこで私は、この一連の特徴を、アシンメトリ現象と呼ぶことにしたのである。

 

 

 このアシンメトリ現象は、日頃から体の形を見慣れたアーティストならではの発見だ。

 

通常なら、規則性のある現象といえば、サイエンスの研究対象である。

 

ところが、私はサイエンスの素人であるにもかかわらず、この現象の研究に取り憑かれてしまった。

 

この思いはときめきであり、恋にも似ていた。

 

つまり私は、20年もの間、恋心を燃やし続けてきたのである。

 

 

 しかし、アシンメトリ現象は、常にときめきを与えてくれたわけではなかった。

 

この現象を深く知ると、そこにはさまざまな疾患とかかわりがあることがわかってきた。

 

つまり、アシンメトリ現象の解消は、疾患の解消につながるのである。

 

しかも、アシンメトリ現象が極まった状態の人ほど、その人が抱える疾患も重大なのだ。

 

そのため、当初は、疾患の解消そのものが、研究の第1目的とならざるを得なかったのである。

 

 

 ところが、疾患を研究するには、医学の世界を知らねばならない。

 

そして、医学の世界を知れば知る程、なぜか美の世界とかけ離れていくのである。

 

どうやら、医学というのは、他のサイエンスとは向かう方向が違っているようだ。

 

もちろん、事あるごとに、かなりの数の医師にも説明してみたが、アシンメトリ現象の重要性は、全く理解してもらえない。

 

そこで、紆余曲折の末、アシンメトリ現象を取り去るための徒手療法を、私自身の手で開発した。

 

さらに、この療法をマニュアル化し、誰でも使えるようにしたのが、現在のモルフォセラピー(R)なのである。

 

 

 私が開発したモルフォセラピーは、アシンメトリ現象という方程式を解くための、公式のようなものだ。

 

この公式の完成で、私のアートもある意味では完結した。

 

だが、アシンメトリ現象には、根本原因の解明という、大きな問題が残されている。

 

 

 実は、この現象の原因を探っていると、ある化学物質の存在に突き当たった。

 

その化学物質は、本来ならば時間軸に沿って、一定の速度で進むべき生命の生活史に、急展開ともいえるような変化をもたらす。

 

その変化は、明らかに自然の法則から乖離している。

 

この重大性は、すぐ目の前にいる人間の体の形を見れば明らかだ。

 

しかし、人類にとっての一大事、と意気込んでこの20年走ってはみたが、この先の解明となると、私の手には負えないのである。

 

 

 アシンメトリ現象の発見は、私に神から与えられた啓示、すなわち預言だと思ってきた。

 

しかし、「武器を持たない預言者は自滅する」というマキャベリの言葉通り、武器のない私には、荷が重すぎたようだ。

 

まして、アシンメトリ現象の原因となる化学物質については、広告を原資とする媒体では、語ることを許されなかった。

 

そこで、メールマガジンの配信となったわけである。

 

 

 配信を始めて13年。

 

バレーボールに例えるなら、立ちはだかるネットを前に、トスを上げ続けてきたようなものだろうか。

 

私自身ではネットを越せないが、預言として回ってきたボールをトスし続ければ、いつか強力なアタッカーが敵地に打ち込んでくれる日がくると信じてきた。

 

そのアタッカーはあなたか、あなたの知り合いの誰かなのかもしれない。

 

できれば、このアシンメトリ現象について、その誰かに伝える機会をもっていただければ、私としてはありがたい限りである。

 

                             (花山 水清)

 

 

 

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【3】今 月 の 雑 感
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 ●自戒

 

  コペルニクスの発見以来、この地球が宇宙の中心ではないことが明らかに
 なりました。私たちも子供の頃に学校で習ったはずです。しかし、人間とい
 うのは、ともすると自分が宇宙の中心であるかのような錯覚を起こすことが
 あります。老化とともにその傾向も強まるような気がします。(ハナヤマ)

 

 

 

  ★次回「ハナヤマ通信」は、4月6日(水)午前10時配信予定です★

 

 

 

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    ■記事提供/花山水清 ■編集・発行責任/有限会社花山水清
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